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闘議(とうぎ)

2012.02.26 UFC144 Japan 観戦記

u-spirit
2012.03.01
 UFC144観戦、フリーペーパー【カクシンハンプレス第8号】の配布もあって格闘技観戦史上、最も早いAM8:30に会場入という地獄。十数年振りのUFCにテンション高めでさいたまSAに到着し、フリーペーパー配布開始。意外にもドンドンと受け取って頂け、なんと5分で配布終了。グッズ売り場は近年稀に見る長蛇の列、それを横目に見ながら群集に埋もれての混雑入場なんて久々の感覚。


第1試合 フェザー級 5分3R
●ヂャン・ティエカン
○田村一聖(KRAZY BEE)
2R 0'33" KO (右フック)


 田村、見事なり!と、この試合を見届けて食料買出しに行くも大行列地獄で結局、第2、第3試合見れず。ロッテリア前にて45分も待たされていた間、列の前後は白人の中年女性。ふと周囲を見渡すと普段の格闘技会場より外国人率が異常に高く、逆に格闘技とは無縁のお連れ様、所謂、お色気系の女性が少ないことに気付く。


第2試合 バンタム級 5分3R
●水垣偉弥(シューティングジム八景)
○クリス・カリアーゾ
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)


第3試合 ミドル級 5分3R
○福田 力(GRABAKA)
●スティーブ・キャントウェル
判定3-0 (29-28/30-27/30-27)


第4試合 バンタム級 5分3R
●山本“KID”徳郁(KRAZY BEE)
○ヴァウアン・リー
1R 4'29" 腕ひしぎ十字固め


 食料調達から間一髪間に合った。KID、調子良さそうでパンチをヒットさせてグラついた相手に詰めるも焦りすぎて仕留め損ねる。リーはボディーがガラ空きだったのに・・・。で、持ち直したリーのパンチにグラついたKIDは、苦し紛れにクリンチ気味のタックルが無防備過ぎて下からロックされて三角から素早くアームバーを極められ人生初のタップアウト。金網という鬼門を打ち破れず4連敗となる。


第5試合 ライト級 5分3R
○五味隆典(久我山ラスカルジム)
●光岡映二(フリー)
2R 2'21" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 開始早々から光岡の右フックが的確に五味を捉える。五味、動きが硬い。五味の放ったボディーに光岡の右フックがカウンターでヒットし倒れた五味を光岡が三角で仕留めに行くもホーンでラウンド終了。2R、開き直った五味が足を止め打ち合い光岡も応戦、左右のパンチと膝を有効に使い五味はラッシュをかける。最後は光岡が亀の子状態でレフリーに止められて五味の逆転勝利。が、マイクを横取りしてのいらんアピール。メインイベントの二人、同階級のエドガーとヘンダーソンに追い付くとは言っていたが、この試合内容で追い付けるのか疑問。


第6試合 ライト級 5分3R
○アンソニー・ペティス
●ジョー・ローゾン
1R 1'21" KO (左ハイキック)


 ペティスの見事な左ハイ一閃。まるで往年のミルコの試合の様だった。


第7試合 フェザー級 5分3R
○日沖 発(ALIVE)
●バート・パラゼウスキー
判定3-0 (30-27/30-27/29-28)


 相手を圧倒していた日沖は前戦とは違い3−0のフルマークで完璧な勝利だった。修斗の優等生は日の丸を背負ってUFC2連勝。試合後、ジョー・ローガンのタイトル挑戦への質問にもまだ自分には改善点があると謙虚に対応する姿に米国人が好む日本人像かなと。しかし、これでランキング2位となったらしく、フェザー級世界最強の王ジョゼ・アルドへの挑戦も現実的となってきた。


第8試合 ミドル級 5分3R
●岡見勇信(和術慧舟會東京道場)
○ティム・ボーシュ [Tim Boetsch]
3R 0'54" TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)


 5年程前、以前のBlog内でUFCで孤軍奮闘する岡見の事を書いた。あの頃、ほとんどの人が彼を知らなかったが、この日は期待感に包まれた会場の歓声を聞いて熱いものが込み上げてきた。岡見はオクタゴンでの攻め、回避を完全に熟知しており試合巧者であった。しかし、誰もが勝利を確信した最終Rにブーシュは玉砕覚悟でブルファイト。頭部を押さえ込んで腰が入ってないはずのアッパー連打で岡見は崩れ落ちて逆転負け。技術とかそんなものじゃない、理屈抜きで出鱈目な攻撃、あえて言うなら、欧米人特有の骨格差から来る筋量差に負けたとしか言えない。


第9試合 ウェルター級 5分3R
●秋山成勲(A-TeAm)
○ジェイク・シールズ
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)


 なぜ、蔑むのだろう。なぜ、いつまでも詰るのだろう。秋山を応援する気が無いなら無いでもいい、日本人はもっと懐の深い人種だと思っていた。いつからこんなに了見の狭い卑しい人種となったのだ、下品極まりない。けど、セクシーヤマは・・・無理があるな。カウンターで決めた大外刈りに秋山の真骨頂をみたがウェルター転向も4連敗ではリリースか・・・。


第10試合 ヘビー級 5分3R
○マーク・ハント
●シーク・コンゴ
1R 2'11" TKO (レフェリーストップ:右フック)


 多くの人のUFCのイメージはこの様な大味な試合でしょう。どうも中軽量級に押され気味で本来、米国人が好きな神の階級であるヘビー級がどうも盛り上がらない。


第11試合 ライトヘビー級 5分3R
●クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン
○ライアン・ベイダー
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)


 日本凱旋試合となるランペイジは試合前、日本ファンに恩返しがしたいと口にし、PRIDEのメインテーマを背に入場。会場は爆発的に盛り上がるが、調整不足で精彩を欠き動きの鈍いランペイジはベイダーに全く歯が立たず完敗で試合後マットに大の字で天を仰ぐ。


第12試合 メインイベント UFCライト級タイトルマッチ 5分5R
●フランク・エドガー(王者)
○ベンソン・ヘンダーソン(挑戦者)
判定0-3 (46-49/47-48/46-49)
※ヘンダーソンが新王者に


 この試合こそが正に最先端MMAだった。二人の動きは軽快で無尽蔵、破壊力のある打撃と鉄壁のガードを兼ね備え、技術も戦術も多彩。まるで格闘技ゲームキャラの如く誰かがコントローラーでコマンドを入力しているのではないか?と錯覚してしまう程、常人離れしたコンプリートファイター対決であった。正直、今まで僕自身も日本人選手を欲目で擁護していたが、ライブで観戦し改めて日本格闘技界とのレベル差という悲しい現実を受け入れざるを得ないと猛省す。

 ここ数年間、日本の選手もファンも「PRIDE」という大きな亡霊をいつまでも追い求め、その面影を見つけては回顧録や外伝を綴り、余韻に浸り、過去の栄光を懐かしんで現実逃避を繰り返したまま今日も会場に集ってしまった。しかし、僕らの見ていた総合格闘技は跡形もなく消え去りMMAというステージへ劇的に進化を遂げていた。もっと早く気付くべきだった。御家芸という自負にあぐらをかいていては、この先、何十年あっても届かない。今のUFCは間違いなく日本の何歩も先、全く違う次元を歩んでいる。
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