K-1 WORLD GP 2005 @ 広島グリーンアリーナを取材してきました。その大会にて富平辰文から感じた大和魂について執筆したコラムを掲載します。
stand様にも、同様のコラムを掲載させて頂いております。
トーナメント参加選手8人中7人が日本人の実質JAPAN GPの今回の"WORLD" GP。決勝後の日本人を祝うために舞い降りるはずだった金色の花吹雪は、ボブ・サップ復活を祝う狼煙となってしまった。インタビュースペースに現れた富平辰文の体は、その返り血ならぬ花吹雪を纏い、哀しく光り輝いた。
勝利したボブ・サップを讃えるセレモニーの大音量に掻き消されるように、富平は「武蔵さんがニコラス・ペタスに日本代表の座を奪われた時*より重罪です。他の敗れた日本人選手に申し訳ない。」と言った。その瞬間、先日のサッカー日本代表×北朝鮮戦後の「今日出られなかった(小野)伸二やベンチのみんなのためにも・・・」と言った小笠原満男の顔が浮かんだ。勝利しW杯への切符を掴み取った小笠原と、惜しくもWORLD GP決勝行きへの切符を掴み損ねた富平。明暗こそ別れたものの、共に闘った仲間のために日の丸を背負い闘った二人。
しかし、富平の屈せざる心にしかと大和魂を見た。インタビュースペースで彼が頭に巻いた赤と白のタオルが日の丸に見えたのは、彼が魅せた大和魂からではないだろうか。
大会の写真は
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試合の結果は
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*武蔵×ペタスが行われた大会の結果は
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K-1 World GP パリ大会をテレビ観戦。K-1<MMA派の私だが、バンナ×アビディが組まれた今回だけは見逃すわけにはいかなかった。
もうワークとは言わせない
まず、角田信朗×マーベリックについて。KO勝利が決まった瞬間、またバカな輩がワークだと声高に叫ぶのではないかと憂慮した。前回のv.s.曙戦で、戦前オヤジの復帰戦と謳われながら、戦後曙に勝利を捧げるための試合と揶揄されてしまった角田。今回のマーベリックはMMAの選手で打撃技術の低さは否めないが、素直に勝利を称えたい。最近、色々と関係者からワークの実態を聞いたが、やはり現在の格闘技界にワーク:八百長はないと信じたいと思うし、ないと信じている。
リアル遺恨清算マッチ
ジェロム・レ・バンナ×シリル・アビディについて。このカードが発表された瞬間、興奮よりも懸念の気持ちが先行した。プロレスライクな遺恨マッチではあるが、リアルな感情のもつれのある両者。本当にK-1の試合として成立するのか、と。
試合序盤、K-1トップファイターの両雄とは思えないほど、テクニック無視のインファイトでの殴り合い、感情と感情のぶつかり合いだった。熱く燃えるアビディ、奥底で冷たく燃えるバンナ。徐々にバンナの的確なパンチがアビディを捉えていった。危ないシーンをことごとく、回避したアビディ。アビディに屈せざる心を見、バンナには詰め(気持ち?)の弱さを垣間見たような気がした。序盤、何度もバッティングがあったが、それでも私の懸念は杞人の憂いであった。両雄とも死力を尽くしての、見事なキックボクシングの試合であった。試合後に元アビディのトレーナでバンナに引き抜かれたラバディトレーナが、先にアビディの汗をタオルで拭ったのが印象的であった。